秋の遍路 (46番 〜 88番)

 


(46 番札所 浄瑠璃寺)

 


(南光坊の住職さんから)

 


(奉納された箱車)

 


(ビジネス旅館小松にて )

 


(60 番札所 横峰寺)

 


( 大興寺の大楠 )

 


( 本堂まで階段 530 余 )

 


(弥谷寺の長い階段)

 


(71 番札所 弥谷寺)

 


(足首を捻挫した屋島寺本堂前)

 


(88 番札所 大窪寺 )

 


(大窪寺門前で )

 


(1番札所でのご朱印)

 


(根本大塔)

 


(高野山結縁潅頂 )

 

 

 

 

 

 

 

 

 

46 番札所 浄瑠璃寺

春の遍路は「平成」で秋の遍路「令和」はここからです。 台風情報を心配しながら 昨日ここにやってきました。 遍路宿長珍屋の目の前にあり、朝一番にお参りしました。小雨がぱらつく朝です。 スタートするお寺はやはり身が引き締まります 。

 

55 番札所 南光坊

納経所でご住職さん(?)から声をかけられました。私の出身地域に  600 回以上お遍路した木工製品の職人の方がいらして 200 足余りの桐の下駄を奉納したそうです。その方に感謝の気持ちを伝える為といって、木片にお寺の名前を書き入れ持って帰ってほしいと言われました。 90 才を超えるであろうその方がどこにいるかわからなくてもいいので その出身地域に持って帰ってほしいとのことです 。

 

57 番札所 栄福寺

本堂の近くに 足の不自由な少年が歩けるようになり、奉納された箱車があります。それを見ると私の大好きな作家の早坂暁さんの花へんろを連想してしまいます。小説では身体が弱くなかなか歩くことが出来なかった昇一(早坂暁さん)を箱車に乗せてお母さんが遍路をするのです。整備された今日でも厳しい遍路道を 赤ちゃんを乗せた箱車を押して歩くお母さんのことを早坂さんはよく話したり書いたりしていました。

 

遍路宿 ビジネス旅館小松

8 年ほど前の遍路で泊まった時、案内された別館は驚くことに肉屋店の二階の普通の住居でした。シャッターをガラガラと開けて朝一番に出発しました。今回新しく建てなおした所にお世話になりました。すごく快適でした。そこで遍路さん達と夕食を共にしました。大阪から三日間だけの区切遍路している男性とオランダから歩き遍路している女性です。遍路の話で盛り上がる中、 62 番札所の話になりました。そこに行っても納経出来ないと話したら、オランダの方はそのことを知っていました。そしてガイドブックを見せてくれました。そこには 62 番札所と霊場会とのトラブルが事細かに書かれていました。世界中に広まっているようです。

 

60 番札所 横峰寺

6 時に宿を出て 曲がりくねった狭い山道の続く札所へと向かいます。私が運転した最初の遍路の時( 20 余年前)、いつもうるさい息子達が緊張と恐怖で一言も声を発しませんでした。人間本当に怖い時はとても静かになるものなんですね。駐車場から山道を歩くと大師堂の横に出てきます。山門まで下って入り直し本堂へと向かいます。 ここの本堂は私にとって特別な所です。長い人生の中で精神的に一番つらかった時、夢の中に現れてくれたからです。

 

63 番札所 吉祥寺

本堂と大師堂をお参りした後 納経所へ向かうと、境内のベンチに大きな荷物の外国人が座っていました。お互い顔を見合わせてびっくり。昨夜夕食を共にしたオランダの女性でした。彼女が宿から歩いて来た今日の一つ目の札所がここでした。こんな偶然ってあるんですね。 11 月中まで日本を巡るという女性と再会を約束して別れました。

 

67 番札所 大興寺

とても好きな札所の一つです。参道にある大楠の木はご神木で、そっと触れると暖かく涙が出そうになります。 1200 年開創記念の遍路で朝一番に行った時のことです。 6 時半頃なのにお寺には何人ものお手伝いの人達が掃除をしていました。その中にはご住職さんもおられ和気あいあいと作業をしていました。何かとても暖かい気持ちをもらってお寺を後にしたことを思い出しました 。

 

71 番札所 弥谷寺

とにかく長い階段が続きます。何も考えずに一歩一歩進みました。以前の遍路で雨の中歩いたことを思い出すと、今回は本当に感謝しかありません。 大師堂は屋内にあり、座ってゆっくりお経を上げました。独特の雰囲気に身体も心も引き締まります。

 

78 番札所 郷照寺

大師堂がわかりにくかったので、ちょっと困りました。厄除け大師が大師堂でした。 前回この札所の近くで道路工事していて、回り道の結果すごく狭い路地に入り込み、引き返すのに苦労したことを思い出しました。

 

80 番札所 国分寺

とにかくいつも境内がきれいに掃き清められています。夕方 4 時過ぎにお参りしたのですが、写経箱や納め札箱の中はすっかりきれいになっていました。きっと毎日整理しておられるのでしょう。札所によって全く違います。掃除や整理整頓がこんなにも人の心を和ませてくれるのだと改めて気付かされました。

 

81 番札所 白峯寺

今回はスムーズに本堂にお参りすることが出来ました。というのはこれまで何度も本堂ではなく頓証寺殿(崇徳上皇の御廟)に吸い込まれるように入ろうとする私を主人が止めてくれたからです。何故そうなるのか不思議です。

 

84 番札所 屋島寺

8 年前の遍路の時には大変な思いをしました。その日のうちに大窪寺の奥の院に行きたくて気が焦り、本堂前の階段の段差に気がつかず転倒し、足首を捻挫してしまいました。痛みをこらえながら、大窪寺まで遍路しました。足首はしだいに腫れてきましたが、お杖に助けてもらってなんとか奥の院に行けました。本当に嬉しかったです。屋島寺の本堂の前に行くとそのことを思い出します。浮ついたお参りは絶対いけないということを 。

 

88 番札所 大窪寺

午後 3 時半位に着きました。本堂でロウソクをつけようとした時、ポツリと雨つぶが落ちてきました。空模様がちょっと怪しくなってきました。納経所で結願の証をいただき、奥の院に行くつもりだと話した所、今からだと暗くなって危ないと注意してくれました。連日の遍路で身体もフラフラしていたので、奥の院は泣く泣く諦めました。大窪寺を後にして 5 分後位に大粒の雨が降ってきました。忠告を聞いて良かったです。自分の我を通していたら きっと主人に迷惑をかけていたことでしょう。

 

1 番札所 霊山寺

納経所で結願したことを伝えると、納経帳の終わりの方のページに日付入りの御朱印をくださいました。それに手首に付ける御数珠もいただきました。思いがけない嬉しいご褒美です 。

 

高野山

朝一番の結縁灌頂の為、早めに高野山に到着しました。 1200 年開創記念のときは先着順だったので、朝 5 時頃から根本大塔の中で何時間も灌頂申し込みの受付を待ちました。今はインターネットで予約出来るので助かります。御影堂の前にある三鈷の松で、いつも目を凝らして三本の松葉を探すのですが、今日は至る所に三本松葉が落ちていました。その後ゆったりと灌頂を受けることが出来ました。厳かな読経の中での結縁灌頂は特別なものです。

奥の院に行って先祖供養の読経をいただいた後、四国遍路の最後のお参りをしました。納経所で御朱印を受けた所、高野山法要のお下がりの餅をいただきました。明日朝おいしくいただきます。今日は山道こそありませんでしたが、奥の院往復など一番歩いたかもしれません。納経後 奥の院から駐車場まで歩く途中に小雨が降り始めましたが、遍路中はお天気に恵まれ本当に感謝しています。最後に長く厳しい遍路道を運転し続けてくれた主人にありがとうです。

 

 

 

 

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